[書評]問題解決プロフェッショナル 「思考と技術」

こんばんわ。本日は某戦略コンサルタント会社が研修で使うのに近いと言われている名著、

「問題解決プロフェッショナル」という本の書評とポイントを書いていきます。

Contents

目次:

第1章 思考編―“ゼロベース思考”“仮説思考”(“ゼロベース思考”―「既成の枠」を取り外す;“仮説思考”―常にその時点での結論を持ってアクションを起こす)
第2章 技術編―“MECE(ミッシー)”“ロジックツリー”(“MECE”―モレはないかダブリはないかをチェックする;“ロジックツリー”―限られた時間の中で広がりと深さを押さえる)
第3章 プロセス編―“ソリューション・システム”(課題を設定する;解決策の仮説を立てる ほか)
第4章 実践編―“ソリューション・システム”活用の現場(事業課題を設定する;“ソリューション・システム”で新商品の導入を図る ほか)

 

この本の要約(私の簡単な図解・解説付き):

前述の目次のように問題解決法について4章に分けて解説されています。

1.思考(考え方)

2.技術(便利なツール)

3.プロセス(ソリューション・システム)

4.実践(活用する現場)

しかもこの本のすごいところは思考法やツールの紹介だけでなく、章の最後に実際に身近な企業や個人を例に挙げて使い方や結果を解説している、また例題を与えてくれる点です。

まさに企業研修にもすぐに使えるような実践本になっています。

 

さて、それでは各章のポイントについて一つずつ簡単に解説していきましょう。

思考(考え方)

a. ゼロベース思考

自分の狭い枠の中で否定に走らない

顧客にとっての価値を第一に考える

b. 仮説思考

結論の仮説(=アクションに結びつくような結論を持ちましょう。アクションまでの落とし込みはSo Whatで自問して繰り返し詳細化していくこと)

理由の仮説(=結論に導くための理由やメカニズムを考えましょう)

スピードを重視しましょう(=BestよりもBetterをとり、すぐに実行すること)

 

技術(便利なツール)

下記に簡単な図解も載せていきましょう。

3C+1C(顧客、競合、自社、流通チャンネルを意識しましょう。実は3Cまでは決まっているのですが、もう一つのCは参照する本や思考法によって違っていいようです。この本の場合は流通チャネルでした。)

<3Cモデル>

マーケティングの4P(Product、Price、Place、Promotionの要素について考えましょう)

事業ポートフォリオ(例えば成長率Xマーケットシェアの2軸でポートフォリオを分けてみましょう)

ロジックツリー(箇条書きでリストアップするよりも、各内容の因果関係や原因や解決策を具体的に落とし込める。これは個人的にはとてもオススメで、誰しもやらない理由はないかと思います。)

プロセス(ソリューション・システム)

課題の設定→解決策の仮説→解決策の検証・評価

の3ステップでビジネス上の課題を分析して、具体的解決策を立案するための問題解決方法になると思います。

 

実践(活用する現場)

ここは実際に著者がコンサルタント時代に担当した企業を少しアレンジして、どのような思考法とツールで問題解決を行ったのかが実際のツールとデータを使い解説してくれています。

実際問題解決の本は巷にたくさんありますが、例一つに対してここまで深ぼったような本はほとんどありません。

大抵は思考法、ツール、コラム(補足)程度で、たまに海外の馴染みのない企業の難しい案件はここが大変だった、でも前述したツールや考え方で解決したという説明ばかりで終わります。

しかしこの本のこの章は実際に紹介したツールを使うとどのようなデータが出るのか、その結果から何が言えるのか、次のアプローチはどうするのかというところまで解説してくれています。

つまり実際に読者が仕事の現場で使うことをイメージして、このような使い方をすればいいという、まさに”実践”に特化してくれています。もしかしたら企業ではこの実践の例をそのまま研修に使う企業もいるのではないかと思うほどでした。

 

全体を通しての感想:

久しぶりに非常に有益な本でした。各ツールに関してまずは概要を細かく解説せず、実践した例で実際に使って使い方を浸透させるという解説の仕方も非常に良かったです。あまり概要が多いと飽きてきてしまいますからね。

この本はどのような仕事をやっている方にも必要な知識だと思います。それは誰しもが誰かの問題や疑問に対して手助けをする立場にあるからです。私たちはAIではありません。AIは与えられたルーチンを元に自分でそのルーチンを使い、ベスト解を導き出します。しかし人間はその思考のルーチンというのは自分で決めることができます。つまりその自分なりのルーチンがないと、ベスト解にだどりつく方法も解も分かりませんが、自分の中で確立されていればAIよりもより柔軟にその場の状況を肌身で感じで修正することができます。

昨今いろいろな本でAIが人間を超えるシンギュラリティがくると言いますが、私はこの思考法を使い肌身で現場の状況で補正する、そして他人の承認をえて前に進むというプロセスは人間にしかできないと思っています。ただしAIが得意なこともありますので、人間とAIで共存して良い世の中にしていくべきだと思います。AI 22の写真

 

この本のオススメ度;

★★★★★(仕事をしている人、特にまだ思考の軸が確定していない若い人に読んで欲しいと思いました)

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